企業で業務用のiPadやiPhoneを導入する際、多くの管理者が直面するのが「アプリのインストール」という意外なハードルです。
App Storeからアプリをインストールするには、端末ごとにApple IDが必要です。
大量の Apple IDを用意し、パスワードを管理し、各端末でサインインし、App Storeを開いて……。
端末が1台、2台なら手動でもなんとかなります。しかし、これが数10台、さらには数100台規模になると……。
想像しただけで憂鬱になりますね。
この課題を解決するのが
「Apple Business Manager(ABM)」と「Mobile Device Management(MDM)」です。
ABMとMDMを利用することで、複数台のiPadやiPhoneなどに対して、一括でアプリを購入・インストールすることが可能です。
本記事では、ABMとMDMとはどのようなものなのかを簡単に説明した後で、ABMとMDMの豊富な機能の中から、特にデバイスへのアプリ配布に注目して解説します。
ABM(Apple Business Manager)は、iPadやiPhoneなどのAppleデバイスを業務で利用する企業のために開発された、Webベースの管理ツールです。
Appleから無償で提供されています。
ABMには主に3つの機能があります。
本記事では、アプリの一括購入・管理機能に着目します。
ABMを利用しない場合、アプリの購入には、各デバイスごとのApple IDが必要です。
デバイス台数が多くなると、大量のApple IDの用意や、各Apple ID用のパスワード・2ファクタ認証用の電話番号などの管理・運用の手間が増えてしまいます。
ABMを利用することで、各デバイスごとのApple IDを必要とせずに、業務に必要なアプリを一括購入できます。
(ただし、購入したアプリの配布には、後述するMDMが必要となります。)
また、一括購入したアプリの利用状況を把握できるため、未使用のライセンス数を把握することで、不要なライセンスの購入を防ぐことができます。新しい端末を導入する際にも、追加購入の必要性を正確に判断できます。
※ABMの登録方法(DUNSナンバーの取得から設定まで)など、ABM利用開始までの詳しい内容は、別記事で解説予定です。
MDM(Mobile Device Management)とは、企業内で使用するスマートフォンやタブレット、PCなどのデバイスを一元的に管理するためのシステムです。
様々なベンダーのサービスがありますが、多くはクラウドサービスとして提供されており、デバイスの運用効率化とセキュリティ対策に重要な役割を果たします。
MDMの機能は大きく4つに分けられます。
MDMを活用することで、アプリの各デバイスへの効率的な配布や
デバイスの紛失・盗難時のリスク対策、デバイスの情報収集などが可能となります。
特にABMとの連携において重要なのが、コンテンツ配布機能によるアプリケーションの配布です。
アプリ配布におけるABMとMDMの連携のイメージについては、次の章で解説します。
弊社で使用したことがあるMDMの印象
また、直接弊社で使用したことはないですが、以下のMDMが弊社の勤怠管理システム「キンタイミライ」のユーザー様で使用されています。
アプリ配布におけるABMとMDMの役割は、以上みてきたように
となります。ABMとMDMの連携により、ABMで購入したアプリの情報をMDMに提供し、MDMがその情報を基に各デバイスへのインストールを遠隔から一括で実行します。
これにより、端末ごとのApple IDを必要とせず、アプリをデバイスに遠隔かつ一括で配布できるようになります。
ABMで購入されたアプリをiPadに配布することに、MDMは必須ではありません。
ただし、MDMを利用しない場合は、1台ずつ手動でアプリをインストールする必要があり、また各デバイスごとにApple IDの設定が必要となります。
弊社の勤怠管理システム「キンタイミライ」では、iPadに専用アプリをインストールしていただくことで、iPadを打刻機として利用することが可能です。
この打刻アプリはABMからインストールをしていただく必要があります。
MDMは必須ではありませんが、ABMとMDMを組み合わせることで、Apple IDを必要とせず複数のiPadへ効率的にアプリを配布できます。
アプリの配布方法につきましては、MDMの利用・非利用に関わらず、しっかりサポートさせていただきます。
具体的には以下の内容をご案内していきます。
ABM・MDMをご利用する中で分からないことがあれば、オンラインミーティングをもって操作方法をお伝えできます。
※MDMについては製品の選定や導入支援は行っていませんが、基本的な説明や使い方についてはご案内できます。
できるだけ分かりやすくご説明しますので、ご不明な点があればお気軽にご相談ください。
ABMとMDMを組み合わせることで、各端末のApple IDを必要とせず、複数台のiPadやiPhoneへアプリを一括配布できます。
これにより、数十台~数百台規模の運用でもスムーズにアプリの導入・管理が行えます。
弊社の勤怠管理システム「キンタイミライ」のiPad打刻アプリも、ABMからインストールいただきます。
ABM単独でもインストールは可能ですが、MDMと組み合わせることで、
Apple ID不要で遠隔からインストールやアップデートを一括管理でき、大規模な運用時に効率が大きく向上します。
導入方法や設定手順など、ご不明点がございましたらいつでもお気軽にお問い合わせください。
ABM・MDMについて基本から丁寧にサポートいたします。